グローバルに多様な事業を展開する豊田通商グループにおいて、サプライチェーンを守り抜くことは、ミッション「未来の子供たちにより良い地球を届ける」に通ずる、経営の土台となる基本的な考え方です。
豊田通商グループでは、「サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」を策定し、サプライヤーへ周知するとともにその実践をお願いしています。また「責任ある調達に関する考え方」を定め、環境・社会への負の影響に配慮した調達を行うとともに、サプライチェーンマネジメントを強化します。これら方針は事業環境の変化や市場拡大に即して定期的な見直しを行うとともに、デューデリジェンスを通じてリスクアセスメントと課題把握に努め、課題が確認された場合はサプライヤーとの対話を通じて改善に取り組んでいます。
今後も、サプライヤーと共に人権、労働環境、自然環境に配慮したサステナブルなサプライチェーンの構築に向けて取り組みを推進していきます。
豊田通商グループは、ミッション「未来の子供たちにより良い地球を届ける」の実現を目指し、事業活動を通じ、社会課題の解決に取り組んでいます。
調達活動においても、持続可能なサプライチェーンの構築を実現し、企業としての社会的責任を果たすため、環境・社会課題が指摘されている商品の使用による負の影響を考慮すべく、本文書を定めます。
以下に掲げる項目の実践に努めるとともに、サプライヤーをはじめとする取引先の皆様にもその理解と実践を期待し、協働して持続可能なサプライチェーンの構築を目指します。
本方針は、豊田通商及び連結子会社に適用します。
また、サプライヤーをはじめとする取引先の皆様にも、本方針を理解し、遵守いただくことを期待します。
豊田通商グループは、各国・地域の法令や国際規範等において、環境・社会課題が指摘されている商品を特定しています。
これらの商品を取り扱うサプライヤーに対しては、アンケート調査、および第三者専門機関による現地実査を実施し、環境・社会課題の特定に努めます。また、課題が確認された場合には、その防止および軽減に向けた取り組みを行います。
本文書に基づく取り組み状況について、適時適切な情報開示に努めます。
以上の内容は、2025年7月31日に取締役会にて報告しています。
本文書の実行にあたる進捗状況等についてはサステナビリティ推進委員会での審議に加え、必要に応じて取締役会に報告します。
本方針は外部動向等を踏まえ定期的に見直し、必要に応じて改定を実施します。
2025年7月策定
アンチモン(アチモン)、アルミニウム/ボーキサイト、ベリリウム、ビスマス、コバルト、銅、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、スカンジウム、ネオジム、プラセオジム、テルビウム、ジスプロシウム、ガドリニウム、サマリウム、セリウム、イットリウム、ランタン、プロメチウム、ユウロビウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、リチウム、マグネシウム、マンガン、天然黒鉛、ニッケル、ニオブ、プラチナ、チタン、バナジウム、タンタル、タングステン、金、スズ、クロム、モリブデン、マイカ、亜鉛、鉛、ロジウム、ルテニウム、銀、鉄/スチール、パラジウム、大豆、カカオ、コーヒー豆、牛肉、木材、ガラス、プラスチック、レザー(革)、天然ゴム、パーム油

サステナビリティについてサプライヤーと共通認識を持ち、その取り組みにおいて協調し、互いの持続可能な成長を実現するために、2012年に「サプライチェーンCSR行動指針」を制定しました。
その後、人権や環境への問題意識のさらなる高まりを受け、サプライヤーとの共通認識をより明確にするため、2019年に同指針を改定、および2022年には名称を「サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」に改めました。
2025年の改定では、2024年3月期から実施しているサプライヤー向け人権DDにて確認された課題を反映するとともに、RBA※の行動規範を参照し、サプライヤーの経営層による管理体制の構築を明記しました。
2022年以降、本指針の改定に合わせて豊田通商および国内・海外連結子会社のサプライヤー約6,000社へあらためて周知し、実践をお願いするとともに、本指針の内容に関して違反のあった場合は現状及び原因を把握し、是正勧告や解決策の提示を行うなど、引き続き理解と遵守をお願いしていきます。
本指針の内容は取締役会に報告しており、今後も外部環境の変化に応じて適宜見直していきます。
投融資の際には、その事業が環境及び社会に及ぼす影響を調査しています。
2024年7月から、新規取引時に取引先のサステナビリティリスクの特定・評価と、必要に応じてアンケート調査・実態調査を実施する仕組みを運用しています。国際機関のデータを基に、国別・商品別リスクスコアを作成し、取引先の所在国と取り扱い商材によりリスクを評価することで、サプライヤーのスクリーニングを実施しています。
当社は2022年6月に売買基本契約書のひな型にサステナビリティ条項を追加しました。サステナビリティ条項は、取引先に対しサプライチェーン・サステナビリティ行動指針ならびに当指針で参照する当社の人権方針、環境方針の遵守を求める内容で、サプライヤーの企業慣行が当社の行動規範に合致していることを確認すべく、本契約書の活用を進めるとともに適宜見直しを行っています。サプライヤーの皆様において、サステナビリティ条項に関して違反のあった場合は現状及び原因を把握の上、是正を求めます。本条項への違反が認められ、当社から是正を要求したものの、当社が定める一定の期間内に是正されずに重大な違反が継続した場合、契約の解除を検討させていただく可能性についても、明記しています。
国連が定める「ビジネスと人権に関する指導原則」を参照し、社内外専門家の意見を踏まえて、サプライチェーンを対象とした人権デューデリジェンスを進めています。サプライチェーン上のリスク評価を行い、リスクが高い分野・地域のサプライヤーに対してはアンケート調査、および第三者専門機関による現地実査を実施し、人権への負の影響の特定やその回避・予防・軽減に努めています。
社内外の専門家の意見を踏まえ、国(サプライヤーの所在国)と取り扱いのある商材の二軸でリスク評価を実施しています。リスク評価にあたっては、サプライヤーとの取引額や当社の仕入れシェアといったビジネス上の関係性を考慮したうえで、ILOやUNDPなどの国際機関が発行する人権・ガバナンスリスクデータ(例:強制労働、児童労働、腐敗防止)を参照し、当社ビジネスにおいて優先度の高い課題を分析しました。2024年3月期には、当社グループのTier1サプライヤー5,946社を対象にリスク評価を行い、251社のハイリスクサプライヤーを特定しました。当社では、ESGに関するリスクが高い251社を重要サプライヤーと定義づけています。この活動は継続的に実施しており、2026年8月現在、全世界のTier1サプライヤーのリスク再評価を実施中です。
人権・コンプライアンスリスクが高いと評価した分野・地域のサプライヤー251社に対して、当社独自のアンケートを実施し、サステナビリティに関する方針、取り組みやサプライヤーエンゲージメントの有無などを調査しています。
また26年3月期までに34社の現地実査を完了しました。現地実査は、客観性と専門性の双方を担保するため、標準設定機関によって認定された、専門的知見を持つ独立した第三者機関により行われます。調査項目は、グローバルサプライチェーンにおける企業の社会的責任の改善に取り組む国際非営利団体RBA(Responsible Business Alliance)の行動規範に基づいて作成し、社外専門家の意見を仰ぎつつ、当社が重要視する人権課題への取り組み体制と実態が確認できるものとしています。
| 1. 強制労働の禁止 | 6. 適切な労働時間の管理 |
| 2. 児童労働の禁止 | 7. 適切な賃金の確保 |
| 3. 安全で衛生的な労働環境の提供 | 8. 公正な取引と腐敗防止の徹底 |
| 4. 従業員の団結権および団体交渉権の尊重 | 9. 内部通報窓口設置と通報者保護 |
| 5. 差別・ハラスメントの禁止 | 10. サプライヤーエンゲージメント |


2026年3月期までに、合計34社の現地実査を実施した結果、人命を損なう深刻な人権課題は特定されていませんが、31社のサプライヤーで複数の人権課題を確認しました。確認された課題については、サプライヤーに対し、当社が定める一定期間内に是正措置計画策定と改善措置や対応策の実施をお願いし、たとえば当社の方針や取り組み事例を共有するなど、当社も協働することで改善を重ねています。
| カテゴリ | 課題例 | 改善状況 |
|---|---|---|
| 若年労働 | •インターンシップ参加者が時間外労働や夜勤に従事している | 新規インターンシップ参加者から順次時間外労働や夜勤を禁止 |
| 賃金 | •深夜、休日出勤等に対する割り増し手当てが支払われていない | 深夜、休日出勤等に対する割り増し手当てが法令に沿って支払われるよう、社内規定の改定 |
| 労働時間 | •週の総労働時間が法定で定められたものを超えている | 法令に沿った週の最大労働時間未満の勤務の徹底 |
| 労働安全衛生 | •火災報知器、消火器が設置されていない | 火災報知器、消火器などの正しい設置 |
| ビジネス倫理 | •汚職・贈収賄防止に関する研修がない | 必要に応じて責任者を添え、研修を開始 |
2024年3月期から実施している当社グループサプライチェーン人権DDを通じて、複数のサプライヤー様において確認された人権リスクの回避・予防・軽減を目指し、2025年7月にサプライチェーン・サステナビリティ行動指針にそれらの課題を反映しました。2026年1月より、豊田通商および国内・海外連結子会社のTier1サプライヤーへ当指針を周知し、実践をお願いする上、環境・人権・ガバナンスリスクによるサプライヤーリスク評価(スクリーニング)を再度実施しています。
今後も人権DDプロセスに則った取り組みと改善を継続することにより、持続可能なサプライチェーンの構築の実現に寄与します。
人権デューデリジェンスと同様に、環境デューデリジェンスについてもサプライチェーンを対象とした取り組みを開始しています。
2024年3月期は、環境に関する当社の考えを周知するため、当社主要事業における重要なサプライヤーに対して当社環境方針についての説明会を実施しました。
2025年3月期は、サプライヤーの環境リスク評価設計、高リスクサプライヤーへの対応内容について検討を開始しました。2026年8月現在、豊田通商および国内・海外連結子会社のTier1サプライヤーを環境面からもリスク評価し、高リスクサプライヤーの特定を進めています。今後、アンケートや現地実査などを通じて、サプライチェーン環境デューデリジェンスを進めていきます。
当社は、苦情処理メカニズム(申し立てを受け付け、適切な是正・救済を実施するための仕組み)として、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した「対話救済プラットフォーム」を提供する一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)に正会員として加盟し、人権・環境をはじめとするサステナビリティ全般課題への影響を受けた個人および地域社会の救済を実施しています。豊田通商グループに勤めるすべての人や顧客・サプライヤーを含む社内外のあらゆるステークホルダーを対象に、人権・環境をはじめとするサステナビリティ全般課題に関する国際行動規範、各国の国内規範等への違反もしくは、違反を疑われる案件に対する通報をJaCERの公式HPの苦情通報フォームより、24時間365日受け付けています。通報いただいた案件に対しては当社で調査を行い、当社の事業活動が負の影響を引き起こした、または関与したことが明らかになった場合は、適切な手続き・対話を通じてその是正・救済に取り組みます。
第三者窓口を介して苦情を受け付けることで、苦情処理の公平性・透明性を図ると共に、従来以上に対話・救済の促進に繋げ、人権における本質的な課題解決に取組みます。尚、通報受付は通報者の匿名性や通報内容の秘匿性を確保します。
JaCERを通じて対応した通報は、JaCERホームページ上で通報内容および状況等を匿名にて定期的に情報開示します。
ご意見・ご要望について、当社ウェブサイト上の問い合わせ窓口より受け付ける仕組みを構築しています。いただいたご意見・ご要望は、専門組織を通じて、社内関係部署に共有され、課題解決に向けた取り組みにつなげています。

当社では、全社員を対象にe-learningをはじめとする研修を実施し、持続可能なサプライチェーンの構築に対する意識の向上に努めています。
| 2019年 | サプライチェーン全体での環境や人権への配慮についての社員の意識向上のため、サプライチェーンマネジメントに関するe-learningを全社員向けに実施。単体社員3,000名以上が受講 |
|---|---|
| 2020年 | 当社の人権方針及び人権尊重に関する内容も含めたサステナビリティ全体のe-learningを実施。単体社員約3,100名が受講 |
| 2021年 | 海外連結子会社のサステナビリティ担当者向けに当社のサステナビリティ活動及びサプライチェーン管理に関する説明会を、一部の連結子会社向けに人権に関する勉強会を開催 |
| 2022年 | 上記の取り組みを継続 |
| 2023年 | サプライチェーンを対象とする人権デューデリジェンスを進めるにあたり、人権デューデリジェンスに関するe-learningを全社員向けに実施。単体社員約3,100名が受講 |
| 2024年 | 当社のサプライチェーン人権デューデリジェンスの取り組み概要と、当社事業に関連の深い企業で起こった人権侵害の事例に関するe-learningを全社員向けに実施。単体社員約3,800名が受講。また、前年の人権デューデリジェンスに関する研修を全国内関連会社・海外連結子会社に展開するとともに海外赴任者向けにも人権に関するe-learningを実施 |
| 2025年 | 人権方針改定を受け、当該方針が定める幅広い人権課題に対する当社の考え方と取り組み、サプライチェーン上の人権課題に対する当社の考え方と取り組みについて学ぶE-learning資料を刷新。毎年10月に実施するコンプライアンス月間中に、1,357名が受講(前年比298%)。また国内関連会社・海外連結子会社・海外赴任者向け研修を前年同様実施。 |
サプライヤーへの研修については、経営企画部サステナビリティ推進室より営業担当者に対して社会問題や環境問題に関する研修を行った上で、環境・社会リスクが高いと判断したサプライヤーに対して、営業担当者より当社のサプライチェーン・サステナビリティ行動指針や環境方針についての勉強会を順次開催しています。
特に安全推進については、安全・環境推進部が当社グループ会社の豊田スチールセンター㈱内に設置している「安全体感道場」を当社グループ会社従業員だけでなくサプライヤーの従業員の皆様にも受講いただき、サプライチェーン全体での労働災害撲滅に取り組んでいます。
コンプライアンスに関しては、当社サプライチェーン・サステナビリティ行動指針で触れている4つのテーマである「法令・国際規範の遵守」「公正な取引および腐敗防止」「情報セキュリティ・プライバシー」「知的財産」に焦点を当て、定義やリスクの例、過去事例とその影響、さらにリスクを予防・低減するための対応策を説明した研修用資料を独自に作成し、各社におけるコンプライアンス教育に活用いただけるよう、サプライヤーの皆様へ提供しています。
当社グループ会社で穀物集荷・インフラ事業を展開するノバアグリ(ブラジル)では持続可能な穀物調達を目指しています。
サプライチェーン全体での持続可能性を確保するために、リモートセンシング技術や地理情報システムを用いて集荷する穀物が生産される農地のモニタリングに努めるとともに、自社の農家データベースと政府系機関などが公表する環境違反に関する情報を照合し、サプライヤーを厳選しています。

2BSvs認証はサステナブルなバイオマス・バイオ燃料に関する欧州基準の認証です。
ノバアグリは2022年5月に2BSvs認証を取得し、環境に配慮して生産・集荷した穀物として販売しています。
認証取得の主要条件、管理項目は下記の通りです。
RTRSは責任ある大豆の生産や流通に関する認証などを行っている国際イニシアチブです。
ノバアグリは、サプライチェーンを通じて、RTRSの価値を届けるための認証を取得し、RTRSに関する活動をサポートしています。
2015年5月にRSPO「持続可能なパーム油のための円卓会議」に加盟し、会合や説明会に参加するなど環境への影響に配慮した持続可能なパーム油の調達を推進しています。

開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易の仕組みとして、国際フェアトレード認証コットンを使用したユニフォーム供給に取り組んでいます。
当社は、2018年に国内初の試みとして企業ユニフォームにフェアトレード・インターナショナルが定める国際フェアトレード認証コットンを採⽤しました。
生産、紡糸、織布・染色、製品の製造・販売のすべての工程でフェアトレード基準を遵守して認証を取得し、国際フェアトレード認証コットンを採用することで、サプライチェーン上の生産地で働く人々の暮らしや、仕事環境が向上することに繋げていきます。

また、豊田通商はフェアトレード認証コットンの認知度向上および普及拡大のため「COTTON∞(コットンエイト)」を設立しました。フェアトレード認証コットンを糸に対して8%以上使用した豊田通商(株)商標保有オリジナルブランドです。製品へと導入しやすくすることでフェアトレード認証コットンの使用量を少しずつ増やし、日常や社会に無理なく取り入れることでフェアトレードコットンの普及に取り組んでいます。本取り組みを通じて、ユニフォームだけではなく、一般アパレルやタオル等にも供給しています。