当社は、絶えず事業環境が変化し顧客ニーズが多様化する中、性別や年齢、国籍などさまざまな違いを尊重して受け入れ、「違い」を積極的に生かすことが、豊田通商グループ全体の優位性を高めることにつながると確信し、経営戦略としてダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進、多様な社員一人ひとりが「強い個」として豊かな個性を発揮し、互いに影響し合い共に進化しながら「強い組織」を構築していくことを目指しています。これまでの業務内容の違いによる職種区分を見直し、社員全員が多様なキャリアパスを選択できる人事制度を導入しています。有給休暇や男性育児休業の取得推進などワークとライフの充実、フレックスや在宅勤務などの制度の整備など、柔軟で生産性の高い組織へシフトすべく「働き方改革」にも取り組み、多様な社員がいきいきと働ける環境整備・企業風土の醸成、個人の意識向上を進めています。
これらに加え、各営業本部CEOが毎年のダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの取り組み目標を定め、役員会議や取締役会において進捗や実績を報告、人財育成を評価に反映する仕組みも導入しています。
さまざまな違いを尊重して受け入れ、「違い」を積極的に生かすことにより、変化し続けるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに最も効果的に対応し、豊田通商グループ全体の優位性をつくり上げることを目的としています。
国籍、人種、年齢、性別などの属性やその他の要素(性格や価値観など)の異なる人財が存在する状態。
異なる事情に応じた公正な機会を提供すること。
「違い」に関わらず、全員が組織に平等に参加し、その能力を最大限に発揮できるようにすること。
当社グループは、歴史的にさまざまな企業との統合やパートナーシップにより事業やその展開地域を拡大しており、全世界約130か国・地域、1,000社以上の拠点において、グローバルに多様性に富む約70,000人の社員が働いております。また海外収益比率も70%以上を占めており、DE&Iの推進は当社の事業を支える根幹と言えます。
当社事業もこれまでの自動車を中心としたビジネスから、社会課題・環境課題解決に貢献する事業へ展開するにあたり、ジェンダー・経験にとらわれない「異能」な人財の活躍を実現していくことが求められています。
このような状況から、「多様な人財の活躍の場と機会の拡大」「ワークインライフの実現」「多様性を活かす会社風土の醸成と個人の意識改革」、という3つのテーマを軸としてDE&Iの取り組みを加速させています。
豊田通商は南アフリカ共和国でディーラー事業、商社事業など様々な事業を展開しています。
南アフリカの関係会社では歴史的に不利な立場に置かれてきた南アフリカ人の経済力政策であるB-BBEE※1の主旨に賛同し、同国の経済発展と雇用創出に向けてB-BBEEに沿った活動を推進しています。
| 社名(業種) | B-BBEE格付 | 証明書 | HDSA※2 とみなされる南アフリカ人の管理職割合 |
|---|---|---|---|
| CFAO Mobility South Africa (ディーラー事業) |
レベル3 | CFAO Mobility South Africa B-BBEE格付け[PDF:11.6MB] |
トップマネジメント 50% シニアマネジメント 17% ミドルマネジメント 29% ジュニアマネジメント 52% |
| CFAO Equipment South Africa (産業車輛/倉庫設備販売) |
レベル1 | CFAO Equipment South Africa B-BBEE格付け[PDF:2.34MB] |
トップマネジメント 0% シニアマネジメント 50% ミドルマネジメント 56% ジュニアマネジメント 77% |
| Toyota Tsusho Africa (商社事業) |
レベル1 | Toyota Tsusho Africa B-BBEE格付け[PDF:393KB] |
トップマネジメント 33% シニアマネジメント 39% ミドルマネジメント 93% ジュニアマネジメント 90% |
Toyota Tsusho South Africa Processing
|
レベル3 | Toyota Tsusho South Africa Processing B-BBEE格付け[PDF:388KB] |
トップマネジメント 0% シニアマネジメント 50% ミドルマネジメント 88% ジュニアマネジメント 92% |
CHRO(Chief Human Resources Officer)の下、人事部が全社的に陣頭指揮を執りながら、女性活躍、障がい者雇用、グローバル人財、LGBTQ支援などのテーマに関する活躍推進の施策を計画的に実施します。
2025年には、当社グループの価値の源泉である多様な社員の活躍を促進するため、社長を議長として取締役および各営業本部CEOと毎月議論するHuman Company Taskforceを始動、働き方や女性活躍等、設定したテーマのまず対処すべき課題(ヘッドピン)を特定し、具体的アクションについてのコミット、進捗管理を行います。
豊田通商では、多様な人財が活躍できる場・機会の拡大に向けて、日本においては女性活躍に重点を置いた取り組みを進めています。そして海外においても、事業を行う地域・国の持続可能な発展への貢献を最大化するというISO26000の考え方に賛同し、現地雇用や現地調達を通じた人財育成や地域社会・経済の活性化を通じ、地域社会との共存共栄に努めています。
2014年、経営トップによる「D&I宣言」の下、女性活躍を最優先テーマの一つとし、①人事施策、②人財育成、③環境整備、④風土醸成の4つの軸で女性活躍を推し進める取り組みを実施しています。
当社は、女性が継続的にキャリアを形成し、その力を十分に発揮できるよう後押しするとともに、性別にかかわらず多様な人材が能力を発揮できる環境の整備を進めていきます。
女性活躍の推進に向け、「土台」「入口」「成長」の3つの観点から取り組みます。
土台:育児・介護等のライフイベントに係る負担が特定の性別に偏ることなく、誰もがキャリアを継続できる環境づくり
入口:将来の当社グループの経営を担う多様な人材の確保
成長:女性がマネジメント職として活躍し続けられるよう、計画的な育成と環境整備
土台:男性の育休取得率:90%
入口:女性の採用比率:30%
成長:女性マネジメント職比率:20%超
2026年4月時点で、豊田通商の女性マネジメント職比率は10.8%です。当社では、将来の女性リーダーを増やすため、女性社員本人と上長の両方に向けた教育・支援を行っています。
毎年の目標設定を通じて、上長や組織が必要なサポートを行えるPDCAの仕組みを整備。また女性メンタリングプログラムではキャリア意識や視野の拡大、課題解決を支援し、ライフステージに合わせた休職・再雇用制度で働き続けやすい環境を整え、意欲ある社員の復帰も進んでいます。上長向け研修では、アンコンシャスバイアスへの理解と多様性を生かすマネジメント力の育成を図っています。加えて、次世代リーダー候補の確保に向け採用も強化しています。
女性次世代リーダーの育成・拡大を目的に、2015年より女性社員を対象とした女性メンタリングプログラムを実施しています。このプログラムでは、社内外のメンターとのメンタリングや定期的な内省を通じて、キャリア意識の啓発、視野の拡大、課題解決の支援を行い、当社でのキャリアの選択肢を増やすことを目指しています。
メンターは、社外の女性マネジメント職経験者に加え、相手の個性に応じたコミュニケーション・指導スキルを学ぶプログラムを修了したミドルマネジメント層を所属本部を超えて社内メンターに選任しています。また参加者同士が知り合うことで互いに支援し合えるよう、メンティー同士やメンター・メンティー全体で対話を行う機会を設けています。
一定の要件の元、配偶者の海外転勤に伴い、退職せずに休職により配偶者に帯同できる制度です。社員のキャリア形成の支援や経験を積んだ人財の定着を目的としています。
2025年4月時点、通算休職取得実績(累積):25名
一定の要件の下、結婚や配偶者の転勤に伴う移住居の変更により退職せざるを得ない社員のキャリア継続支援や、当社経験があり、意欲的に自己研鑚しキャリアアップに取り組む優秀な社員の確保を目的とした再雇用制度です。
2025年4月時点、通算復職実績(累積):35名
当社の女性活躍推進の継続的な取り組みが評価され、2016年「えるぼし(認定段階2)」認定、2020年「プラチナくるみん」認定、2021年「準なでしこ2022」に選定されました。

●プラチナくるみん
当社は2007年より、次世代育成支援対策推進法に基づき策定・届出した行動計画を達成し、継続して「くるみん」認定を受け続け、また2020年3月、より高い水準で両立支援を行っている企業として、厚生労働省より「プラチナくるみん」の認定を受けました。

●えるぼし
当社は2016年7月、女性活躍推進法に基づき、一定の基準を満たし、女性活躍推進に関する状況などが優良な企業として、厚生労働省より「えるぼし(認定段階2)の認定を受けました。

●Nextなでしこ共働き・共育て支援企業
Nextなでしこ共働き・共育て支援企業は、経済産業省と東京証券取引所が共同で、「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」に関する取り組みが特に優れた企業を選定するものです。当社は、2026年3月「Nextなでしこ共働き・共育て支援企業」に2年連続で選定されました。

●なでしこ銘柄
なでしこ銘柄は経済産業省と東京証券取引所が共同で、全上場企業を対象に業種ごとに女性活躍推進に優れた企業を選定しています。当社は2022年3月「準なでしこ2022」に選定されました。
豊田通商では、社員の定年を60歳とし、定年後も就労を希望する社員を対象に「パートナー制度」を設け、社員一人ひとりの多様な経験・専門性を生かした活躍を支援しています。
パートナー制度にはシニアパートナー(SP職)とプロフェッショナルパートナー(PP職)を設け、一定以上の役割・ポストに就いた社員をSP職として、定年前と同等の報酬・権限で活躍しています。
また、2025年度にパートナー制度(PP職向け)の制度改定を実施し、評価でメリハリをつけた賞与の支給や昇降格制度を導入し、意欲ある社員が長期にわたり活躍し続けられる環境づくりに取り組んでいます。
さらに、定年退職後もモチベーション高く働くマインドチェンジの期間として10日間の「定年リフレッシュ休暇」を付与するほか、療養やライフイベントで制限がある中でも高いパフォーマンスを発揮する事を可能とする短時間勤務・非常勤勤務制度、自身の今後の活躍機会を広げる為の副業の承認などを通して、社員の更なる活躍を支援しています。
バリアフリー対応エレベーターや多目的トイレ、点字ブロックを設置し、施設のバリアフリー化を進めるとともに、「障害者雇用促進法」上の特例子会社※1である「豊通オフィスサービス(株)」、関係会社※2である「豊通ヒューマンリソース(株)」と共に障がい者の雇用を促進しています。福利厚生の充実を兼ねた取り組みとして、社内にマッサージ施設を開設し、その施術者としてあん摩マッサージ指圧師の国家資格などを保有する視覚障がい者をヘルスキーパーとして採用しています。2016年からは臨床心理士や精神保健福祉士といった専門スタッフを配置し、障がい社員のサポート対応を行っています。
障がい者法定雇用率の段階的な引上げを視野に入れ、対象となる豊田通商グループ47社の法定雇用率遵守を目標に豊通オフィスサービス(株)が主体となり障がい者雇用促進活動を実施。採用から定着の支援および各種啓蒙活動などの取組みを行っています。
また、Be the Right ONE実現の礎としてのDE&Iの浸透・風土醸成を目的として新卒・キャリア双方の本社採用の強化を実施しています。
当社は、グローバルリーダーの質・量の確保のため、育成プロセスの強化を図っています。連結経営上重要なポスト(グローバルポスト)を明確にし、その期待役割や必要なスキル等を定義しています。ポスト毎に後継者候補を選定し、期待役割とのギャップをもとに育成プランを計画します。特に、現地に根差したパートナーとの協業や現地発のビジネスを推進するため、現地人財の育成・登用にも力を入れています。育成の進捗状況については、経営陣も交えた全社会議体(グローバル人事委員会)にて共有・議論を行い、PDCAサイクルを回しています。これらの取り組みをより効率的かつ効果的に推進するため、グローバルに情報システム基盤を統一しています。
グループ約70,000人が働く当社では、異文化理解はグローバルでの業務遂行に不可欠です。
当社は、多様な文化を尊重しながら円滑に協働するための学びと仕組みを整えています。
全社員が受講可能なe‑learningで、異文化環境で働くためのマインドセットと実践スキルを身につけます。文化的価値観が認識や行動に与える影響を理解し、コミュニケーション、リーダーシップ、意思決定の場面での文化差に適切に対応する力を養います。
海外赴任者には、業務を安全かつ円滑に行うための赴任前研修と現地での支援を提供します。駐在中に求められる人事の基礎や当社のグローバル行動倫理規範に関する研修は全員必修です。
海外でのトラブルを未然に防ぐため、安全・危機管理や異文化コミュニケーションの研修を実施しています。各国・宗教ごとのタブー集の紹介や、LGBTQや人権に関する理解促進のためのe‑learningも全赴任者が受講し、多様性を尊重する行動を後押しします。
グローバルで優秀な人財の育成を加速するために、当社では海外現地スタッフの海外駐在を推進しています。特に海外現地スタッフを豊田通商本体に駐在員、実習生として赴任してもらうことにより、海外現地スタッフには当社の文化風土やグローバルでの業務を経験してもらい、豊田通商への理解を深めていただいています。また、本社従業員にとっては、海外現地スタッフとのネットワークを構築することで、海外拠点との円滑なコミュニケーションの実現、協業の促進等を実現しています。 また、海外現地スタッフの異動にはグローバル共通の異動ルール(International Assignment Policy)を制定し、グローバル統一のルールを適用しています。
当社は、性的指向・性自認を含むあらゆる多様性を尊重し、すべての社員が自分らしく能力を発揮できる職場づくりを目指して、LGBTQに関する正しい理解の促進、海外での活躍に向けた知識提供など、多面的な取り組みを進めています。
名古屋本社に多目的トイレを設置し、グループ社員含めて誰もが利用しやすい職場環境を整えています。
2024年のCOCE・コンプライアンスイベントでは、全社員を対象としたLGBTQ啓発e-learningを実施し、性的指向・性自認に関する正しい知識の普及と理解促進を図りました。
新規海外赴任者向け研修において、世界的なLGBTQを巡る動向や各国の法制度・文化背景を取り上げ、海外で働く上で必要な配慮やリスク理解につながるプログラムを実施しています。
豊田通商は、2014年にケニアのナイロビ市内に「トヨタケニアアカデミー」を設立しました。当アカデミーは、現地コミュニティに開かれた職業訓練・社会人教育の場です。
自動車整備に関する技能研修のほか、建機、農機などの技術研修、リーダーシップ講習など多様なプログラムを、日本政府や内外機関からの協力も得ながら提供。これまでの修了生は若年層や女性も含む7000人以上にのぼります。
UNHCRやUN WOMENなどの国連組織とも連携し、ケニア国内に滞在する近隣国からの難民向けに、自立促進のための技能トレーニングも提供しています。
女性労働参加率が低いインド※の首都デリー郊外にある、エアバッグ製造のToyotsu Ambika Automotive Safety Components India Private Limited(以下、TASI) は、女性が活躍する企業として注目を浴びています。
TASI社では、健康や安全のために工場にエアコンを導入、女性社員専用送迎バス・寮の完備、職場における基本動作や海外への作業訓練派遣を含む教育パッケージを充実させるなど、女性が安心して働ける環境づくりに挑みました。また、女性の就労機会や格差の問題には、社員の家族向けに企業見学会を開くなど信頼関係構築にも努めました。
このような努力の積み重ねにより、生産従事者100%女性という職場も実現させました。またTASI社では、貧困問題が深刻なインド東北部、北部地域に出向き採用活動を実施し、これまで全従業員200名のうち71名を同地区より採用しています。
こうした女性の積極的かつ定期的な雇用への取り組みを通じ、豊田通商はこれからも人権に配慮し、健全な労働環境を整備することで、開発途上国における社会進出を後押ししていきます。
※世界経済フォーラム「女性の経済への参加と機会」国別ランキング→ インド:調査委対象149カ国中142位
世界銀行「女性の労働参加率」(2017年世界標準値:約49%)→ インド:約27% (2005年をピークに減少中)